蓮香様にリクエストしていただいた「蓮キョでギャグ・尚と美森に邪魔されるものの、社奏の助力で結果的にハッピーに」でした!
……リクエストに応えられてますか?なんか不必要なくらい長いんですけど。しかも蓮&社コンビ、お腹が真っ黒ですよ?
この二人だけは敵に回すと危険ですね。( ̄  ̄;)
蓮香様!どうしようもない駄文で申し訳ありませんが、好きにしてくださいっ。苦情もしっかり受け付けますので!
人の恋路を邪魔するヤツは。 「げっ!?」 「…………」 「っっ!?」 「あ――っ」 これがキョーコ、蓮、尚、美森の第一声であった…… ――某月某日。 珍しくオフの蓮は、昼前に収録が終わる予定のキョーコを迎えにテレビ局まで来ていた。久しぶりのデートを少しでも早く楽しむためである。 収録現場ではすでにスタッフたちにも挨拶を終えたキョーコが待っており、お互い相手の姿を認めると外野そっちのけでいちゃつきながらエレベーターを目指した。 一方、偶然にも同じテレビ局でレコーディングを終えた尚と、これまた偶然同じ局内での写真撮影を終えた美森は、二人連れ添ってエレベーターに向かっていた。 ここまで偶然が重なっておきながら、運命の神サマとやらは余程ヒマなのかそれともオチャメなのか、鉢合わせすれば天文学的数字の確率で問題が起こるであろう四人を対面させた。 しかもアフターサービスもバッチリで、昼時だというのに周りには彼ら以外誰もいなかったりする。 そして話は冒頭へと戻る―― 「何でアンタがここにいるのよっ!?」 「そりゃこっちのセリフだ!」 「私は仕事だったのよ!」 「俺もそうだ!っていうか、なんでこんなヤツと一緒にいるんだ!?しかも腕まで組んで!」 「こんなヤツですってぇぇぇ!?蓮に対して何てこと言うのよこのバカっ!!それに腕組んでたってアンタには関係ないでしょ!?」 「『蓮』って……お前、敦賀蓮のこと呼び捨てにしてんのか!?仮にも事務所の先輩だろうが!」 「俺が名前で呼ぶように言ったんだから、別にいいんだよ。 だいたい不破君……だったか?彼女の言う通り、君には俺とキョーコがどこで何をしていようと関係ないだろう?」 「(こいつ……今、この俺様の名前を確認しやがったな……っ) ――あんたもキョーコのこと呼び捨てかよ。随分と仲がお宜しいことで」 「(ナイスよ蓮!間違いなく確信犯でしょうけど、今のでショータローの無駄なプライドはズタズタねv) ええ、バカに会うまでは幸せいっぱいだったわよ?それに蓮の方がこの業界では先輩なんだから、もっと言葉遣いに気をつけたら?このバカ」 蓮の毒舌に心の中でガッツポーズをかましつつ、尚に「バカ」を連呼するキョーコ。 それに対して尚が反論する前に、今まで会話に入っていけなかった美森が割り込んだ。 「ちょっと――っ!尚ちゃんのことバカバカ言わないでよ!」 「あら美森ちゃん、久しぶりねー。貴女、まだこいつなんかのこと好きなの?」 「当たり前じゃない!尚ちゃんは誰よりも格好いいもの!あなたの隣にいる敦賀蓮なんかよりもねっ」 「…………フッ。恋は盲目って、素晴らしい言葉よね」 「ンだと!?」 「何よ!そんな顔だけ俳優なんか尚ちゃんの足元にも及ばないわ!」 「蓮はちゃんと演技力も伴ってるわよ。 その上どっかのバカと違って優しいし、背も高いし、脚も長いし、極甘ヴォイスだし、考え方も大人だし。まぁ、偶に笑顔が怖かったり、私のことからかって遊んだり、マジ怒りの様子はまるで大魔王(サタン)だったりす――はっ」 ついつい口を滑らせてしまったキョーコは、恐る恐る蓮の顔を見上げる。そこには案の定と言うかむしろ当然と言うか紳士スマイルを浮かべた蓮。 「れ、蓮?そ、そんな顔しちゃイヤv」 「ん?本当ならそこらの物陰まで連れ込んでたっぷり話を訊きたいところだけど、無駄な時間を過ごした所為でデートの時間が減ってきてるしね。そろそろ行こうか?」 「喜んで行かせていただきます。」 話の展開についていけずに固まったままのアカトキコンビは放置して、滝汗掻きつつ、紳士スマイルを維持したままの蓮とエレベーターに乗り込むキョーコ。 エレベーターの位置を表示するランプがゆっくりと降下しているのを見て、やっと美森が口を開いた。 「………………ねぇ、尚ちゃん……今の会話…あの二人付き合ってるの……?」 「――っ!…なぁ、ポチリ。ミルキちゃん、確かこの局にいたよな?」 一方、その頃の蓮とキョーコは―― 「さて、どこに行く?」 「そうねぇ…とりあえず、お昼ごはんを食べに行きましょうか?」 「了解」 蓮の運転でドライブ中であった。 どこでお昼を取るかはキョーコが決める。食に執着のない蓮に任せると、とんでもないトコへ連れて行かれるかもしれないからだ。 雑誌片手に場所を選んでいると―― ピルルルルルルル・・ と、キョーコの携帯が鳴り始める。 すぐさま携帯を取り出しチェックすると、液晶画面には全く知らない番号が表示されていた。 「出ないの?」 「んー、知らない番号からなのよね。でも、この携帯の番号知ってるのって事務所の人か私が教えた人だけだし……大丈夫よね。悪いけど蓮、場所選びはちょっと待っててね?」 返事も聞かず電話に出るキョーコ。すると、 『キョーコ!!お前、敦賀蓮と付き合ってんのか!?』 「「!?」」 携帯からは尚の声が。しかも運転席の蓮にまで聞こえる大声量で。 「ちょ…何でアンタが私の番号知ってんのよ!?」 『ンなことどーでもいいだろ!それよりお前っ、俺の質問に答えろ!』 「良くないわよ!――あ゛あ゛!?アンタ、さては麻生さんから聞き出したわね!?」 『それが何だ!』 「偉そうに言うんじゃないわよ!マナーってものを一から十まで学び直してきなさいっ」 『いいから質問に『もうっ尚ちゃん!あの子のことなんて放っとけばいいじゃない!』 「そうよ!私たちの邪魔しないでよ!」 『あなたこそ私と尚ちゃんの邪魔しないでよねっ』 「いつ私が――」 などと、不毛な会話を繰り広げているその隣で、ちょっぴり青筋を浮かべながら携帯を手にする蓮。 ちなみに現在運転中。 道路交通法違反です。ルールはしっかり守りましょう。とツッこむ人物がいないため、そのまま作業を続行。 十秒近く待った頃、電話の相手が出たようだ。 「――あ、俺です。すみません、今ちょっといいですか?」 「いい加減俺の質問に答えろキョーコ!!」 あれから三十分近く。いまだ馬鹿げたやり取りは続いていた。 とは言ってもそのほとんどはキョーコと美森の会話だったのだが、美森はつい先程彼女のマネージャーが回収しに来てもういない。 やっと、まともにキョーコと話せる状態になった。 『しつこいわね!アンタに答えてあげる義理はないわ!』 答えるも何も、あれだけ大っぴらにしてたらバレバレだと思うのだが。 「イエスかノーか答えることもできねーのか、お前は!」 『なんですってぇぇぇぇっ!?』 「だったら今す」 ドンッ! 「うわっ!?」 「きゃっ」 後ろからいきなりぶつかってきた人物によって、思わず携帯を取り落としてしまう尚。 その携帯を、ぶつかってきた人物と一緒にいたらしい男性が拾い上げてくれた。 「ごめんなさいね。ちょっと余所見をしていたものだから……って、不破さん?」 「……琴南さん、だったよな?キョーコとコンビの」 そう、ぶつかってきた人物とはキョーコの大親友、琴南奏江であった。 もちろん隣にいる男性は、恋人であり蓮のマネージャーでもある社倖一。 「何やってるんです?こんなところで」 「(コンビ揃って同じ質問かよ!?) 別に?ただの仕事帰りだよ。あんたは?」 「私も別に。もう目的は果たしたし」 「(なんか聞こえたような……?) ――ところで、そっちの人は?どっかで見たことある気がするんだけどな…」 そう言って視線を社に向ける。 見たことも何も、以前尚が初めて蓮にケンカを売ったときに社もいたのだが、あのときの尚には蓮以外目に入っていなかったようである。 そんな尚とは違ってしっかりと覚えている社は、いつもの社交的な笑顔で接する。 「こうやって話すのは初めてだからね。 ――初めまして、社と言います。蓮のマネージャーをしてるから、一緒にいるところを見かけたんじゃないかな?」 「なっ!?敦賀蓮の…」 「ちなみにキョーコちゃんとも懇意にさせてもらってるよ。でもって、君とキョーコちゃんの過去も、少しだけど知ってる」 「!?」 さらっと言われた内容に驚愕する。 キョーコの性格上、余程心を許した相手以外には自分の過去を話したりはしないからだ。 固まったままの尚など気にせず、笑顔のまま続ける社。 「まあ…何だかんだ言っても、君たちの事に関しては部外者だからね、俺は。特にどうこうしようってつもりはないよ。 ただ……君もマネージャーがいるんだから、知ってるだろう?マネージャーの生活、主に休みがどう作られているのか」 「……そりゃまあ。でも、それが何か?」 マネージャーの生活は、担当しているタレントの生活と二人三脚である。タレントが仕事ならマネージャーも仕事だし、オフの日は基本的に休み。ただし、マネージャーはタレントのスケジュール調整などで休日までつぶれてしまうことも偶にあるが。 「そうか。なら…耳の穴掻っ穿ってよく聴いてくれよ? ただでさえ蓮は超多忙で休みという休みがないんだ。それはつまり、俺の休みもないってことでね?大事な彼女と会う時間も限られてるんだよね。 でもって、今日は久しぶりにデートしてたんだよ、彼女と。それはもう幸せなひと時だったんだ蓮から電話が掛かってくるまでは。 君が望みの無い恋愛をしようがしまいが俺には関係ないんだけど、巻き込まないで欲しいんだよね」 「それに関しては私も同感だわ。 ただでさえあの二人の惚気で精神が破壊されているのに、これ以上巻き込まないで欲しいわよ。 ――と言う訳で、今日のところは引いてくれないかしら?」 「何で俺が引かな」 「ああ、そうだ。コレ、返すね?」 そう言って渡したのは、社がゴム手袋なしで十秒どころか数分握っていた尚の携帯電話。 とりあえず携帯を返してもらった尚は憮然とした顔で「……どうも」と礼を言う。 「一応返したからね? ちなみに俺たちのデートを邪魔したんだから、弁償はしないよ?」 「は?(持ってただけだろ、アンタ。何言ってんだ?)」 「じゃ、俺たちはこれで失礼するよ。行こう、奏江さん」 「ええ。じゃあね、不破さん。情けで一つだけ言っとくけど、早めに代わりの携帯を探しに行った方がいいわよ?」 「代わりの携帯?……って、行っちまいやがったし」 二人が去った後、もう切れているであろうキョーコとの通話を確認しようと画面を覘く尚。 ――その日、某テレビ局では某人気シンガーの悲鳴が響き渡ったそうな。 <おまけ> 「麻生さんにも二度とあのバカに番号教えないようキツく言っといたし、もう大丈夫よね?」 「だといいね。またこんな風に折角のデートを邪魔されたら……今度は容赦しないし」 「…………ところで蓮?わざわざ社さんとモー子さんに頼まなくても、私が番号変えちゃえば良かったんじゃないの?」 「そんなことしたら、キョーコがいろんな人に連絡しなきゃダメになるだろう?あんなヤツのために手間をかける必要は無いよ。 それに――今回邪魔してくれた罰は、しっかり受けてもらわなきゃね?」 敦賀蓮の恐ろしさ、ここに垣間見えたり。
蓮香様にリクエストしていただいた「蓮キョでギャグ・尚と美森に邪魔されるものの、社奏の助力で結果的にハッピーに」でした!
……リクエストに応えられてますか?なんか不必要なくらい長いんですけど。しかも蓮&社コンビ、お腹が真っ黒ですよ? この二人だけは敵に回すと危険ですね。( ̄  ̄;) 蓮香様!どうしようもない駄文で申し訳ありませんが、好きにしてくださいっ。苦情もしっかり受け付けますので! |