二人のラクス





≪アバンタイトル≫

前回の続きから。
ジャック返しした後、ラクスは言葉を続けます。

ラ「わたくしと同じ顔、同じ声、同じ名の方が、デュランダル議長と共にいらっしゃることは、知っています」
画面の端っこに動揺しているミーアを映しておく辺り、キラ様お怒りですか(笑)
ミ「あ…え……?」
台本見えてるぞミーア。いやそれよりどこに持ってたそれを。
ラ「ですが、わたくし――シーゲル・クラインの娘であり、先の大戦では、AAと共に戦いましたわたしくは、今もあの時と同じかの艦と、オーブのアスハ代表の許におります」
AAとカガリの許っていうより……キラの許ですよね?
ラ「彼女とわたしくは違う者であり、その思いも違うということを、まずは申し上げたいと思います」

…ムウさん。貴方今ネオですよね?艦長室でコーヒー飲むのも体が憶えてたんですか。そしてオーブ軍服着るのに躊躇いはなかったんスか。
――アスランと同じく、愛する彼女とお揃いなら迷わないと?


一方、プラントで放送見ていたイザークとディアッカ。

デ「おい、何だよこりゃ!?」

……………………ちょっと待て?
まさか、ねぇ?今の今まで、ミーアが偽者だって気づいてなかったとか、言わないよねー?ディアッカ君。
まさか、本気でアレをラクスだと思ってはなかったですよねー?


ミ「わ、わたくしは!」
ラ「わたくしは、デュランダル議長の言葉と行動を支持しておりません」
レッツ無視(笑)

青褪めるミーアに同情の視線を送るアスラン。
同情はいらないと思います。彼女が決めた道ですから。
ラクスの発言に、聴衆は大混乱。堪らず議長もミーアの放送をストップ命令。
自ら「私は偽者でーす」って宣伝してどーすんの。いや、あのまま続けてもボロ出ただけだとは思うが。

ラ「『戦う者は悪くない。戦わない者も悪くない。悪いのは全て、戦わせようとする、死の商人ロゴス』――議長のおっしゃるそれは本当でしょうか?それが真実なのでしょうか?」
本当にその通りで。いくらロゴスが戦わせようとしていたとしても、戦う決意をしたのは当人の問題です。
ラ「『ナチュラルでもない。コーディネイターでもない。悪いのは彼ら、世界。あなたではないのだ』と語られる言葉の罠に、どうか陥らないでください」
いますねー、見事陥ってるアホが。何かにつけ全ての責任を自分以外に押し付ける紅目のボウヤとか。

放送ストップ後、スタッフ(?)に置いてけぼりを食らってるミーア。
ごめん。自業自得としか思えん。
いつでも前向き思考なジブリール氏は、反議長のラクスを取り込めると勘違いして「オーブに連絡を」とか何とか。しかしその直後、ラクスが「ジブリール氏を庇う者ではありません」と連絡する前に拒絶。
「え?」ってなんだ「え?」って。何を思ってラクスが貴方を支持すると思ったんだ。
ラクスは議長の思惑をチラつかせて放送終了。
……いや、どうせならもう少し情報与えてやった方が……
憎々しげに舌打ちする議長。
その顔、他の奴らに見せてやりてぇ…





≪世界の様子≫

ラクスの登場で騒然とする世界。
たった一人の少女の存在に振り回される世界って…(汗)
議長の許へ戻って来たミーア、かなり不安げ。
大失敗やらかしたしね?
相変わらずの胡散臭い笑顔をはっつけ(でも瞳は笑ってない)、ミーアにフォローの言葉。



その頃の(恐らく)マハムールでは、本物・偽者で言い争う大人たちに、壇上に乗って声を上げるコニール。
「ザフトは良いやつ。悪いのは連合。オーブは連合の味方だ」と演説。

うーん…まあ、連合に散々苦しめられてたから、仕方ない――んでしょうか。
あの放送見てわかるように、ザフトは偽者の"ラクス"を使ってたわけで。貴方方も普通に騙されたわけですよね。そのあたりは問題じゃないんだろうか。



議長、今後自分の立場を危うくしそうなミーアを、監視の姉さん付けてどこか遠くへ追いやるそうで。
あのサングラス、微妙な気が。 ←どうでもいい
ミーアを体よく追い出した後、予定通りメサイアへと行くらしい。





≪ミネルバ≫

こっちはこっちで騒然となっている様子。
何度も会ってますもんねー?しかもアレは偽者っぽいし?気づかずはしゃいでた己を省みたらどーですか?
そんな中、不機嫌そうに廊下へと出るレイ。それを追っかけるシンとルナマリア。



作戦室に来たタリアさんに、即行で事態を尋ねるアーサーさん。
ちっとは自分で考えましょうよ、副長…
もちろん答えてやれないタリアさん。一応「ラクス・クラインがザフトの上官ではない」と釘を刺す。
でも、議長も上官じゃないですよね?やたらと命令降りてきてますが。
そこで、司令部から命令。宇宙へ上がれ、と。
あっちへ行ったりこっちへ来たり、ご苦労様です。



レイを追いかけていたシン、二人のラクスについて意見を求める。
……君もちっとは自分で考える練習しようよ。

レ「どう、とは?」
わかってて言うか。
ル「『どっちが本物』って話」
……知ってるだろよ、あんたは。あの話聞いても、まっっったく動かなかったけどな。
レ「何だ、お前まで。馬鹿々しい。そうやって我々を混乱させるのが目的だろう、敵の。恐らく皆、そうして真偽を気にする。お前のように。中々穿った心理戦だな」
話の内容聞けよ、お前。



ラクスの援護について何か言ってるのか、笑顔で話すカガリとラクス。それを横から見守るキラ。
この光景だけで癒される…!
またベッドに逆戻りしたアスランと、彼が安静にしてるよう監視するメイリン。
世界の混乱なんぞ何のその。AAのどっかで仲良く話すネオとマリューさん。



レ「だが、何故かな。何故人はそれを気にする?本物なら全て正しくて、偽物は悪だと思うからか」
それこそ何でだ。自分の被害妄想じゃないか、それは。問題なのは議長が偽者使って世界に語りかけてたことだろうよ。
レ「――俺はそれはどうでもいい。『議長は正しい』――俺はそれでいい」
それもどうだよ。てか、その言い方だとザフトのラクスが偽者だって認めてることになると思うのは気のせいか。そして議長が正しいと言える根拠はどこに。

そこで話は切り捨て、レイはインジャスの話へ移行。シンの葛藤よりもインジャス――アスランの始末が重要らしい。
そんな話は一言も聞いてなかったらしいルナマリア、レイにではなくシンに詰め寄る。何も言えず顔をそらすシンに代わり、レイが説明。
アスランの存命より、メイリンの生死を気にするホーク姉。やっと妹のことを気に掛け始めた様子。
それに答えるのはやはりレイ。「生きているとすれば、あの艦に乗っている可能性もある」と。苦悩するシンと、戸惑うルナマリアは気にせず、パチパチ作業を進める。





≪宇宙≫

レクイエムとは兵器だったらしい。
月司令とジブリールの会話から、兵器を撃つことが楽しみで仕方ない様子が窺えます。

ジ「私は大統領のような臆病者でも、デュランダルのような夢想家でもない」

そりゃそうだ。
貴方は自信過剰の逃走家だものね?



月の動きを警戒し、偵察(?)に向かうジュール隊。こんなときでも軽口叩けるようになったイザークに乾杯。
それらの報告を受けた議長。訝しげに聞いてますが、今までの経緯からとっくに知ってた可能性大。命令を出した後、誰も見てないので満足げに笑う。
もう今更どこがどう繋がってても驚きません。



レクイエムがどんな兵器か知らないジュール隊は、とりあえず怪しいものを撃破。
恐らく知ってるくせに、移動してる物体が何か問う議長。
腹黒いってか、全身黒い。
プラント首都・アプリリウスを照準に、ジブリール氏自らレクイエム発射。
危険な動きをしているビームを見て、全軍回避を命じるイザーク。

レクイエムにより、プラントのいくつかが破壊。
吹っ飛んでいく人たちが……きっとこれも予定通りの犠牲なんでしょうね、議長にとっては。
ホント、何様なんだろうか。

周りの様子を確認して、わざとらしく拳を握り声を荒げる議長。
蹴り倒したい蹴り倒したい蹴り倒したい蹴り倒したい蹴り倒(エンドレス)

目的のアプリリウスを落とせなかったことに怒り心頭なジブリール氏。
これだけの被害を出して何も感じてない彼には溜息もつけません。
悲惨な現実に、イザークは怒りに震えてレクイエムの撃破を命じます。





≪地球≫

AAにもプラントのことが報告され、医務室で見ていたキラ、ラクス、アスラン、メイリンはその様子に言葉も出ない様子。
キラ以外は知り合いいたんでしょうか…?
オーブでは臨時首長会(?)の途中だったらしく、カガリは会議場で呆然。

プラントに友人・知人がいるミネルバでは、泣き叫ぶ者多数。
その中でも一人冷静なレイ。シンとルナマリアにレクイエムのご説明。
冷静な人間がいるのは重要ですが、それでもどうかと思うよそれ。



思いっきり恨み辛みをぶつけるジュール隊。
その甲斐あってか、何とか中継地点の破壊に成功。



レ「ジブリールを逃がした、俺たちの責任だ」
いやいや、議長の責任だよね?
シ「ジブリールを逃がしたって……それは!!」
オーブが邪魔したせい?……まぁ、責任の一環はあるかもしれませんが、あくまでオーブは自国を守ってただけじゃなかったっけ?ザフトが力技で来なかったら、ジブリールを総出で捜索することもできただろうに。
レ「――なんであれ、俺たちは撃てなければならなかったんだ」
おや、オーブに責任をなすりつけなかったのね。珍しいこともあるもんだ。
ル「っ!」
あー、逃した最大の原因は自分の射撃下手だものねー。そりゃ責任感じますよね。


レクイエムとジブリールへの怒りを胸に、ミネルバ宇宙へGO。





≪AA≫

ア「同じだ…ジェネシスの時と。もうどうにもならない…!」
どうしてそこまで暗いんだアスラン。……アスランだからか。 ←ぇ
キ「うん、プラントはもちろんだろうけど…こんなの、もうきっと皆が嫌だ」
ラ「――でも…撃たれて撃ち返し、また撃ち返されるというこの戦いの連鎖を、今のわたくし達には、終わらせる術がありません」

SEED時代からの「撃たれては撃ち返し」シーン。
デスティニー・プランが書かれたノートを胸に、ラクスの言葉が続きます。

ラ「誰もが幸福に暮らしたい、なりたい。そのためには戦うしかないのだと――わたくし達は、戦ってしまうのです。議長は恐らく、そんな世界に、全く新しい答えを示すつもりなのでしょう。議長の言う『戦いのない世界』『人々がもう決して争うことのない世界』とは――生まれながらに、その人の全てを、遺伝子によって決めてしまう世界です」
マ「遺伝子で!?」
キ「それが"デスティニー・プラン"だよ」


やっぱりそんな計画か議長。

39話の時点で視聴者に気づかれるような浅はかな計画のために、多くの人を巻き込む戦争を起こしたんか。


脱走時の出来事を思い出しつつ、ラクスたちの言葉を補足するアスラン。
「そぐわない者は淘汰・調整される」のくだりでステラたちを思い出し、苦い顔をするネオ。
連合のエクステンデッドそのものですものね。
アスランは、初めから全てが決められた世界なら確かに不安はないかもしれない、と言いながらも、納得していない模様。
不安はなくても、幸福ではなかったですものね?

キ「望む力全てを得ようと、人の根幹――遺伝子にまで手を伸ばして来た、僕たちコーディネイターの世界の、究極だ」


コーディネイターはその得意とする分野まで定めることができます。つまり、コーディネイターにとって能力を最大限に活かせる環境ではある、と。

でも、それって本当に幸福な世界?

そんな世界なら、みんな子供をコーディネイターにするでしょう。人生が遺伝子で決まるんですから。けれど、そうして生まれてきたものを、"ヒト"と言えるのでしょうか?与えられた役割だけをこなすなら、機械やロボットでもできます。というか、どこが違うと言えるんでしょうか。


ラ「そこに恐らく争いはありません。『戦っても無駄だ』と、『あなたの運命(さだめ)が無駄だと言う』と、誰もが知って生きるのですから」
遺伝子で全て決められてるなら、戦ってでも欲することはありませんからね。
ネ「――そんな世界で、奴はなんだ?王か」
マ「運命が王なのよ、遺伝子が。……彼は神官かしらね?」
あんな胡散臭くて黒い神官はいりません。

ア「無駄か…」
キ「本当に無駄なのかな?」
ネ「ふっ…無駄なことはしないのか?」

ネガティブ街道まっしぐらのアスランに、キラとネオから即座に質問。
ええ、こうして尻を叩かれないと動けないんですよヤツは。ヘタレだから。
案の定、「俺は…そんなに諦めがよくない!」と否定。
要所要所で真っ先に諦めの言葉を吐いてたヤツの言う言葉とは思えませんが、その心意気や良し。

キ「…だよね」
カ「私もだ!」
ネ「俺も、かな?」
マ「……そうね」

マリューさんの顔を覗き込みながら言うネオと、肯定するマリューさん。
……うん。記憶ないのにマリューさんへの愛を忘れなかった事実は、諦めが悪いと言えるかも。
メイリンも拳を握って気合とともに頷きます。
もうザフトと戦う決意はできたんだろうか。

キ「宇宙(そら)へ上がろう、アスラン!僕たちも」
ア「キラっ?」
キ「議長を止めなきゃ。未来を作るのは、運命じゃないよ」
ア「…あぁ!!」

友情の握手を交わし、笑顔を向け合うキラとアスラン。