ふふふふふ……これを甘々と言い切りますよ管理人は!
たとえ微妙に鬼畜が入っていても、これは甘々です!たぶん! ←オイ
呼び方を変えるきっかけって難しいよねーという発想からできたこの作品。どうだったでしょうか?
きっかけ 「ねえ、キョーコ。ちょっといいかな?」 「?どうしたんですか、敦賀……さ………ん…」 振り返ったキョーコの目に入ったもの――それは見たくないものトップスリーに入るであろう、ウソ吐き・毒吐き・紳士スマイルを浮かべた蓮であった。 (なになになになにーーーーっ!?なんで敦賀さん怒ってるの!?) この笑顔に碌な思い出がないキョーコは、反射的に固まってしまう。 今、二人がいるのは蓮のマンション。 二人座っても十分に余裕がある、むしろ四人掛けても問題ないくらいのソファの上で、仲良く食後のティータイムを楽しんでいた。 恋人同士になってからほぼ毎日晩御飯を作りに通い、朝御飯は蓮がキョーコを迎えに来たときに一緒に食べ、お昼はキョーコの愛情いっぱいのお弁当、というような生活を送っている。その間ケンカ一つしたことがない。 まさに蜜月。 だからこそ、キョーコには何故蓮が怒っているのか、皆目見当がつかない。 「あ、あのぉ……敦賀さん?私、何かしました?」 「……もう一度、言ってごらん?」 よりいっそう輝きを増すキュラキュラ光線。 それに比例して増す、キョーコの背中を伝う冷や汗。 できれば口を開きたくない。開きたくないが有無を言わさないその笑顔に負け、言われたとおり繰り返してみる。 「えっと……『敦賀さん?私、何かしま』」 「キョーコ?」 「は、はいぃぃぃっ」 声に込められた威圧感に、思わず裏返った声を上げてしまう。 だがキョーコの目に映ったのは、寂しそうな、悲しそうな表情を浮かべた蓮であった。 「……敦賀さ」 「君は、いつになったら俺のことを名前で呼んでくれるのかな?」 「え?」 「呼び方だけじゃない。敬語で話すのも変わらないし」 「あの、それはその……」 「俺も最初のうちは慣れないだろうからと思って、我慢してたよ?でも、そろそろ我慢も限界かな」 「へ?」 「限界」と言った瞬間、それまでの寂しそうな顔はどこへやら。キュラキュラ笑顔でキョーコの方へと迫ってくる。 「な、何ですか!?っていうか何で迫ってくるんです!?」 「ん?言っても聞いてくれなさそうだし、だったら実力行使かな、と」 「何の実力行使ですか!?」 「俺のこと名前で呼んでくれるまで、君の抗議は受け付けない。もちろん、敬語もなし」 そう言いつつも蓮はキョーコをソファに押し倒し、首筋に唇を寄せる。 慣れない行為に顔を真っ赤にしながらもキョーコは必死に押し返そうとするが、如何せん男と女では力に差がありすぎる。ビクともしない。 「つ、敦賀さん!卑怯ですよこれは!」 「卑怯とは心外だな。ちゃんと話せるように口は塞いでないだろう?それとも、塞いで欲しい?」 「結構ですっ」 「それに、抗議は受け付けないと言ったはずだ」 蓮の顔が男の顔になる。 その瞳を見た瞬間、キョーコは金縛りにあったように動けなくなった。 しかし、蓮の行為がエスカレートして胸元に紅いマークを散らせ始めると、流石に固まっているわけにはいかない。 「ちょっ……ダメですよ!明日は雑誌の取材があるんですから! ああっ!?そう言えば首もヤバイじゃないですか!?」 「知らない」 「知らないって……………………(ぷちっ)もうっ蓮!いい加減にしてよ!!仕事に私生活を持ち込まないって決めたの、忘れたの!?」 「――はい、合格」 「は?……ごーかく?」 拘束を解き、体を起こす蓮。キョーコは仰向けになったまま、ぽかんとしている。 そんなキョーコを極上の笑顔で見つめ、 「名前で呼んだだろう?それに敬語もなかった。条件を満たしたんだから、これで合格だよ」 「……あ」 あまりの事態にそのことをすっかり忘れていたキョーコは、自分の間抜けさに呆れてしまった。 (……でも敦賀さ…じゃない、蓮も人が悪いわよね。いくらきっかけを作ろうとしたからって、こんなセクハラ紛いのこと――) 「もっとも、俺としてはこのまま続けても良かったんだけどね?」 その蓮の一言に、キョーコの背筋に大量の冷や汗が流れたことは言うまでもない。
ふふふふふ……これを甘々と言い切りますよ管理人は!
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