……なんだこれは!?めちゃ駄文。
読んでくれた方、こんなのですいません。i|||i_| ̄|○i|||i
鈍感 「聞いてよぉ、モー子さぁん」 「もー何なのよっ!あんた仮にも女優なんだから、そんな顔してちゃダメでしょー!」 「だってぇ……」 珍しく人通りの少ないLME事務所のロビーで休んでいた奏江に、落ち込みモードで近づいてきたキョーコはそれはもう疲れに疲れた、という雰囲気を纏わりつかせながら声をかけてきた。 それに対して冷たく返すと、キョーコはさらに落ち込んでしまう。 「……で?どうしたのよ?」 「……聞いてくれるの?」 「そんな顔されたら、聞かないわけにはいかないでしょ。ほら、さっさと話しなさい」 話すことに少し躊躇っていたキョーコだが、奏江に促されると静かに語り始めた。 「あのね、敦賀さんのことなんだけど…」 「……なぁに、またその話?それならいつも聞いてるじゃない」 奏江はうんざり、と言いたげに溜息を零す。 事務所の先輩であり看板俳優である敦賀蓮に、親友が恋心を持ってから随分経つ。 以前聞かされた不破尚とのこともあり、初めのうちはその想いを認めようとせず、認めてからも「どうせ私のことを好きになってくれるはずない」と言ってすぐに諦めようとしていた。 しかし、それは奏江の、 『何言ってるのよっ!あんた、私に言ったでしょ!CMオーデションの時っ! 無理かもしれないってわかってる事でも、ボロボロになるまでぶつからなきゃダメなんだって! ……あの言葉は嘘だったの!?』 という怒りのお説教により「ダメで元々、やれるとこまで頑張ろう」と、心を持ち直した。 それからというもの、キョーコはいわゆる「恋の相談」を毎日のように持ちかけてくる。けしかけた本人ではあるが、いい加減にしてほしい、と思うくらいに。 だが、キョーコは少しムッとした顔で、 「今日は少し違うのよ!ここ最近、敦賀さんがおかしいの!」 と訴えかけてきた。 「おかしいって……どんな風に?」 「それが……お弁当を作って行ったら世の女性が失神しそうな笑顔を浮かべたり、いきなり耳元で話しかけてきたり、車で送り迎えしてくれたりするのよ」 「………………はぁ?」 思わず気の抜けた返事を返してしまう。 そして、麻痺した脳でキョーコの言葉を反芻した。 ・お弁当を喜ぶ→作ってきてくれたことが嬉しいんでしょ? ・耳元で話しかける→あんたの反応見たくてわざとしてるに決まってるじゃない ・車で送り迎え→それはもはや恋人の仕事! ……誰がどう考えても、蓮がキョーコに特別な想いを抱いているという結論になる。 それを事もあろうか本人はおかしいと言って全く気づいていない。 「ちょ、ちょっと待ちなさ」 「敦賀さんにとっては何気ない行動かもしれないけど!私の気持ちを知らないからって、あんまりだと思わない!?こっちはドキドキして心臓に悪いのよ!」 「だからちょっと待ち」 「あんな笑顔、卑怯だわ!耳元であの極甘ヴォイスは腰にくるのよ!助手席って心臓の音が伝わりそうで気が気じゃないのっ!」 「いや、それはあんたの都合じゃ」 「それが一週間よ!?いくらなんでもあんまりだわ!こっちの気持ちも考えてくれたっていいじゃない!敦賀さんの鈍感っ!」 「……へぇ?誰が鈍感だって?」 「「!?」」 奏江の言葉を遮りつつヒートアップしていくキョーコと奏江の後ろから、話題に上っていた人物の声が届く。 恐る恐る振り返ると、そこには予想通り蓮と、彼のマネージャーである社が立っていた。 「つ、敦賀さん……と社さん……い、一体いつからそこに……?」 「『いくらなんでも…』のあたりからだよ。で?誰が鈍感だって?」 「私の気持ち」云々のところは聞かれていなかったようで少し安心していたキョーコだが、キュラキュラ笑顔で迫られ、大量の冷や汗をかきながら逃げ腰になっている。 「そ、そうだ!私、これから仕事があったんだわ!敦賀さん、社さん!これで失礼します! モー子さんも、またねっ」 そう言ってお辞儀した後、脱兎のごとく場を去って行くキョーコ。 一瞬、三人とも呆気にとられて身動きできなかった。が、 「……そうきたか。 すみません、社さん。ちょっと行ってきますね?」 「ああ、くれぐれも脅かさないようにな」 「ヤダなぁ、そんなことするわけないじゃないですか。じゃ、琴南さん。またね」 「あ、はい…」 紳士笑顔で挨拶を交わし、長い脚を駆使してキョーコの後を追って行ってしまった。 残された二人は、どちらからともなく長い溜息を吐く。 奏江はキョーコのあまりの鈍さに、社は蓮に捕まった後のキョーコの行く末に。 「……全く、どっちが鈍いんだか」 「それってキョーコちゃんのこと?」 「ええ、まあ…… 敦賀さんの気持ち、全然伝わってませんよ?敦賀さんに問題があるわけじゃないんですけど、ね」 そう言って苦笑いを浮かべると、社もまた、苦笑を浮かべる。 「そうか、キョーコちゃんも恋愛音痴だったのか……」 「……も?ということは、敦賀さんもですか?」 「そうなんだよ。 今はちゃんと自覚してるみたいなんだけどさ、この間までは無自覚で本当に困ってたんだ。 しかも、自覚したら自覚したで『これまでの俺の苦労は何だったんだ!?』てくらい強引になってさ……周りの目も気にせずに」 よほど苦労しているのだろう。そこかしこに哀愁が漂っている。 「そうだったんですか……お互い、苦労しますね」 「まあね……他の事でも苦労してるけど」 再び溜息をつく社。 それを見て奏江は首を傾げた。 (敦賀さんの行動とキョーコの鈍さ……社さんったら、この他にも何か悩みがあるのかしら?) 「……やっぱりわかってないし」 「?」 「君もキョーコちゃんに負けず劣らず鈍感って事だよ」
……なんだこれは!?めちゃ駄文。
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