うーわー。ただ長いだけで中身がな〜んもないよ。i|||i_| ̄|○i|||i
これは本当に甘々と言える代物ですか……? ←書いた本人が聞くな
お題については「どちらかが相手の載っている雑誌を見る」という形ではなく、「一緒に雑誌に出る」というものにしてみました。
ここまで付き合ってくださった方、ありがとうございますっ!
雑誌 蓮によって首元・胸元にキスマークをくっきりと付けられたその翌日―― (どうしてっ……どぉぉぉして今日の仕事が蓮との合同取材だってことっ、誰も教えてくれなかったのよ!?) キョーコは神々しい笑顔を振り撒く蓮の隣に座り、内心毒づきながらも冷や汗を大量に掻いていた。 なかなか名前で呼ばないキョーコに業を煮やした蓮の暴走を止めるべく(といっても全く無意味であったが)、キョーコが口にした「明日の雑誌取材」。 その仕事にキョーコは出向いていた。 本日のコーディネイトは、(キスマークが隠れる)ハイネックブルゾンとインディゴカラーのデニムパンツである。 最初はスカーフでも巻こうかと考えたが「もし外れてしまったら」という思いが捨てきれず、また、私生活ではスカートを多用しているキョーコだが、今日ばかりは気恥ずかしくてこのようなスタイルとなった。 ちなみに蓮の方はファーテープを編んだトップスとペッカリーのコートに大柄チェックを描いたコート、レザーパンツとなっている。 そして、どちらも申し合わせたかのようにブラウン調で統一しているため、二人が並んでいる姿は「恋人同士」の空気を醸し出してしまっていた。 事務所内ではすでに有名なカップルではあるが、世間にはまだ公表していない。何せ「芸能界一いい男」と称されるトップ芸能人・敦賀蓮と、最近かなり売れ始めている女優・京子である。 いくら宝田社長が公表したくてウズウズしていても、事務所としては時期尚早。何とかマスコミの目を誤魔化している最中である。 ……だというのに、今回の「恋人」というコンセプトの取材に限って合同取材とは。 (ぜっっっったい社長と蓮の画策だわっ!ていうかそれ以外ありえない!それに蓮もワザと同じような格好してくるし!バレたらどうするのよ!?) 表情は蓮直伝の笑顔を維持しているが、心の中は色々な考えが渦巻いて取材どころではない。 しかしそんなキョーコの心中は知らないまま、インタビュアーの女性は取材を開始してしまった。ただ、彼女が二人の姿を今回のコンセプトに合わせているのだと思い込んでくれているため、そのことについて一切触れられなかったことは幸いではあったが。 「今日は芸能界で注目されている敦賀蓮さんと京子さんに質問させていただきますね。その内容はズバリ『恋人について』!!お二人が恋人、または恋人にしたいと思う異性に対して、どのように思っているかなどを教えてください!」 (当たり前だけどやっぱりきたぁぁぁぁっ) 顔には出せないので背中に冷や汗を掻いているキョーコとは対照的に、隣では蓮が嬉々として答え始めた。 「そうですね……以前も答えたと思いますが、優しくて、芯のしっかりした女性が理想ですね」 「今もお変わりないと?」 「根本的には。でも、今ではもう少し具体的になりましたよ」 「それはぜひお聞かせください!」 「家庭的で、一途で、嘘が吐けなくて、思考が何につけてもメルヘンで、やたら我慢強くて、何に対しても一生懸命で、おまけにからかい甲斐のある女性です」 彼女の興味津々と言った態度に、それはもう楽しそうに答える蓮。微妙にキョーコの頬が引き攣る。 「ず、随分と具体的ですが…誰かそういう方がいらっしゃるとか……?」 (――お願い!ただの理想だと言って!) というキョーコの願いも空しく、 「ええ、いますよ、可愛くて誰よりも愛しい恋人が」 とのたまった。 その瞬間、キョーコが意識を手放しそうになったのは仕方がないのかもしれない。 インタビュアーの女性も「うわ!これってスクープ!?」と思っていることが手に取るようにわかる表情で固まっている。 そんな二人を全く気にせず話という名の惚気を進める蓮。 「それがもう本当に可愛くて。ちょっとしたことですぐに真っ赤になるところなんて誰にも見せたくないくらいですね。 料理もプロ顔負けなくらい上手でして、食の細い俺でも思わず箸を進めてしまうんですよ。 そうそう、その彼女なんですが。付き合い始めてもなかなか名前で呼んでくれなくて、昨晩とうとう我慢に限界がきてしまいましてね。ちょっとしたバツを体につけたんですけど、必死になって隠そうとするんですよ。俺としては世間に見せびらかしてやりたいっていうのに」 終始笑顔のままでとんでもない内容を吐き出す。しかも最後、黒さと甘さが混ざったような声音である。 キョーコはというと、青くなったり赤くなったりで忙しい。しかしこのまま顔色を変えていても仕方がない。何とか声を絞り出し、 「れ…敦賀さん……そういう発言は控えた方が……」 「どうしてだい?今回の取材は恋人について話すんだろう?」 「それは…そうですが……」 「さて、『京子』ちゃん?次は君の番だよ?」 「え゛!?」 「君も取材を受けに来たんだろう?さあ、どうぞ」(にっこり) (……最後のセリフが『ウソ偽りなく話さないと後でどうなるか……わかってるよね?』って言ってるように聞こえたのは私の気のせいっ!?) などと考えていると、女性も硬直から立ち直ったのかこちらの方に意識を向けてしまった。 「え〜と……では、京子さんにもお答え願えますか?」 「……………………」 「……京子ちゃん?」 「は、はいぃぃぃぃっ、答えさせていただきますぅぅぅっ(涙)」 蓮の低く優しくスゴんだ声に、思わず涙を流しつつ返事をしてしまった。こうなったら正直に答えるしかない。さもないと、後がひたすら怖い。 「……私もお付き合いしている男性がいます(涙)」 「え!?京子さんもですか!?」 「ええ、まぁ……」 「ぐ、具体的にお聞きしても……?」 「(ふふ…私に拒否権はないのよ……?) その……すごく背が高くて、スタイルも良くて、顔が小さくて、とても素敵な方です。 それにどんなに体調が悪くても自分の好きなことには一切妥協しない人で、そういう面では憧れています。 あと、一度でも心から非を認めた相手には笑って許せる大人な人なんですけど、その反面、子供のような屁理屈を並べたりすることもありますね。 最後にどうしても言わせていただきたいのは、いきなり鬼畜な行動に走らないで欲しいってことです」 本人を目の前にして相手をどう思っているか洗い浚いぶちまけることはやっぱり恥ずかしく、顔を真っ赤にさせたまま俯いてしまうキョーコ。ただ、最後の方は微妙に怒りがこもっていたが。 トップ芸能人二人の暴露話を入手した女性はその後も数回質問を投げかけ、それに二人が答えていって今回の取材は無事(?)終了した。 どうやら、キョーコの相手は「子供みたいな屁理屈を言う」ということで、他の要素が蓮にそのまま当てはまるにも拘らず、二人の関係はまったく気付かれなかったようだ。 これにはキョーコが盛大に安堵し、蓮がすこぶる不機嫌になったという―― ――この雑誌の発売日に世間が騒いだのは、別の話。 <おまけ> 「もう、蓮!二度とこんなことしないでよね!じゃないと、二度と泊まりに行かないから」 「……わかったよ。その代わり、俺からも一つだけいいかな?」 「約束を守ってくれるならね」 「了解。――キョーコ、俺について色々と言ってくれたよね?」 「え、ええ……(ヤな予感が)」 「とても嬉しかったんだけど……最後のやつは却下。」 予感、的中。
うーわー。ただ長いだけで中身がな〜んもないよ。i|||i_| ̄|○i|||i
これは本当に甘々と言える代物ですか……? ←書いた本人が聞くな お題については「どちらかが相手の載っている雑誌を見る」という形ではなく、「一緒に雑誌に出る」というものにしてみました。 ここまで付き合ってくださった方、ありがとうございますっ! |