前半と後半のギャップが……キョーコちゃん、湯たんぽ代わり以外にもイロイロとされたんでしょうね(笑)
お題とはほとんど関係ない話になりましたが、お許しくださいっ。
ここまでのお付き合い、ありがとうございましたv
窓 「………………寒い」 冷え込みが厳しくなってきた冬の朝。 ベッドに入っているにも拘らず肌を突き刺すような寒さを感じ、蓮は目覚めた。 上半身だけ起こして時計に目をやると、針が示すのは朝の七時半。今日の仕事は昼からなので、起きるにはまだ早い時間だ。 ふと隣を見ると、そこにいるはずの彼女の姿が見当たらない。 今日はオフだと言っていたはず。蓮が朝から仕事のときは、自分がオフの日でも早くから起きて朝食やお弁当を作ってくれるのだが、今日のようなときは昼ご飯に間に合う時間に起きるのが常だ。 まだ上手く働かない意識の中で懸命に答えを導き出そうとしていると―― 「あれ?もう起きたの?」 「キョーコ……?」 部屋の入り口からひょっこり顔を出し、意外そうにしているキョーコの姿を見て、蓮は無意識に彼女の名を呼んだ。 「なに?」 「いや……なんでもう起きてるの?どこかに出かける予定、なかったよね?」 話しかけているうちに、段々と意識がはっきりしてくる。だが、やはり彼女が朝から起きている理由がわからない。 今日どこかに出かけるという話は聞いていない。聞いていたが忘れたなんてことは、天地がひっくり返っても有り得ない。なぜなら、あの蓮が愛する彼女の予定を忘れるはずが無いからだ。 案の定、キョーコは彼の言葉に首肯する。 「ええ、どこにも出かける予定はないわよ?換気してるだけだし」 「…………かんき?」 「だから換気してるの。平たく言うと空気の入れ替え」 「……成程。通りで寒いはずだ」 ここにきて、やっと寒さの原因がわかった。 よく見てみれば、ベッドルームの窓も僅かにだが開いている。恐らく、まだ眠っている蓮を起こさないようにとの配慮だろう。 そんな小さなことにキョーコの愛情を感じ取り、愛しさを噛みしめていた蓮だが、キョーコの方は自分の行動が蓮を起こしたことに気付き、すまなそうな表情をする。 「ゴメンね、起こしちゃったみたいで」 「いいよ別に。でも、どうして換気してるんだ?」 「どうしてって……風邪を引かないようにだけど。最近、風邪が流行っているでしょう?だから予防もしっかりしておかないと」 「…………窓を開けた方が風邪引くんじゃないか?」 蓮にはキョーコの言うことがいまいちわからない。冬の寒い風をわざわざ部屋に流し込む方が、体調を崩すと思うのだが…… 「そりゃまあ、ずっと開けっ放しにしてたらね。でも、閉め切ったままの状態は逆に危ないのよ?ウィルスの生存率が高まったり、鼻や喉の粘膜が乾燥して感染しやすくなったりするんだから」 「へぇ、そうなんだ」 「けど、起こしちゃうんだったら蓮が出かけてからにすれば良かった……」 ゆっくりできる日に早くから起こしてしまったことが余程悔やまれるのか、彼女は見るからに落ち込んでいる。 蓮にしてみればそれ程気にされるようなことではないのだが、どうせだからこの状況を利用させてもらうことにした。 「キョーコ、ちょっとこっちへおいで?」(キュラリン) 「え?(……ってなにその紳士スマイルは!?)な、なんで?」 「いいからおいで?起こして悪かったと思うなら、ね?」(キュラキュラキュラ) 「う゛」 それを言われるとツラいキョーコは、蓮の笑顔に嫌な予感を抱きつつその言葉に従う。 ベッドの傍らにまで近づいてきたキョーコの腕を取ると、蓮はそのままベッドの中に引き摺り込んだ。 「ちょっと蓮っ/// 朝から何を」 「だって寒いんだもんv」 「『だもんv』って……貴方ねぇ、子供じゃないんだから…」 「窓を開けたのはキョーコなんだよ?なら、キョーコで暖を取るのは当然じゃないかvv」 「それはヘリクツよっ」 「(スルー)あーあったかいなぁv」 「れ〜〜〜ん〜〜〜っっ」 結局、蓮が仕事へ行く準備に入るまでなされるがままになるキョーコであった。 <おまけ> 「どうしたんだ蓮。やけに機嫌が良いな?」 「ええv 朝から充実した時間を過ごせましたからね」(キラキラキラ) 「そ、そうか……(キョーコちゃん、ご愁傷様…)」
前半と後半のギャップが……キョーコちゃん、湯たんぽ代わり以外にもイロイロとされたんでしょうね(笑)
お題とはほとんど関係ない話になりましたが、お許しくださいっ。 ここまでのお付き合い、ありがとうございましたv |