「親睦会」って何ですか? 後編





<二つの顔を持つ監督と美人プロデューサーの場合>

「あっ、お久しぶりですね!敦賀君、京子さん」
「お久しぶりですっ緒方監督!その節はお世話になりました!」(ペコっ)
「いえ、僕の方こそ素晴らしい作品を作らせてもらって……」
「そんなことないですよ。あの仕事がなければ、俺はいつまでも自分の未熟さを克服できませんでしたから……監督の鬼のようなダメ出しのおかげです」

……ああ、そういえば蓮が初めてNG出した仕事だったな。緒方監督も、製作発表のときの儚げさはどこにいったんだ!?ってくらい豹変したドラマだったけど……蓮の変化が一番印象深いよ。
超絶恋愛音痴!キング・オブ・鈍感男!!だった蓮が成長した頃でもあったけど、俺の胃が痛み始めた頃でもあった……

「はいはい。啓文も敦賀君も、仕事の話はまた後にしましょうね?
……元気そうね、京子ちゃん」
「あ、はい!麻生さんもお元気そうで何よりです!あのバカのせいで苦労してません?」
(『あのバカ』って……もしかしなくても尚のことよね)え、ええ、大丈夫よ」
「……?」
「不破尚のことですよ、監督」(にっこり)

……蓮。キョーコちゃんも麻生プロデューサーも否定しないからそうなんだろうけどさ。その代名詞からさも当然のようにその固有名詞を引っ張ってくるのは、いささか問題があるんじゃないか……?

「不破君……?不破君って、春樹とよく仕事している歌手だよね?僕は直接本人に会ったことないけど……彼、何か問題があるの?」
「別に問題なんてないわ(京子ちゃんと敦賀君絡み以外では)」
「でも、京子さんが…」
「それは京子ちゃんと尚が幼馴染みだから出た言葉よ、きっと。ね?京子ちゃん」
「ええっ!?京子さんと不破君って幼馴染みなんですか!?」

今まで知らなかったんですか、緒方監督。

「……ええまあ……マリアナ海溝でも富士の樹海でもいいから奥深くに埋めてしまいたい過去ですけど」(ぶすぅ〜)
「大丈夫だよ、キョーコ。ありとあらゆる手段で過去に思いを馳せる余裕なんか奪ってあげるからvv

待て蓮っ!どんな手段で奪う気だっ!?
いや、みなまで言うなむしろ言わないで下さい!!監督もプロデューサーも赤面してるし!!

「ちょっ…監督達の前で何てこと言うのよーーっ///」
「別にいいじゃないか、本当のことなんだから。――ああ、麻生さん。不破君に今の言葉、伝えておいてもらえますか?」(キュラン☆)
「え、ええ…(『今の言葉』って……どれを?)」

スミマセン、麻生プロデューサー……蓮の戯言は無視して下さって結構です……


「お願いしますっ麻生さん!!尚には絶対伝えないで〜〜〜〜〜っ」


……ん?なんか小声で悲痛な叫びが聞こえたような……?







<チンピラ監督と実力派女優の場合>

「…………何やってんだ?最上さん。窒息死寸前並に真っ赤じゃねーか」
久しぶりに会ってソレですか。(変わってないわね、このチンピラ監督……)それにもう少しマシなたとえはないんですか?」
「ああ?十分にマシなたとえじゃねーか」
「……ソウデスカ。アナタの中ではそれがマシな方なんですネ」

蓮を筆頭に人の基準ってアテにならないよな、うん。

それにしても――そのスーツ姿はやばいでしょう、黒崎監督。まるで極道映画から抜け出してきたかのようにハマってますよ。
よくこの会場に来るまでに捕まりませんでしたね。

「それより……何で黒崎監督と逸美ちゃんが?接点なんてなさそうですよね?」
「百瀬さんが監督の作品に出るとかじゃないのか?」
「お。当たりだ敦賀君。今度のCMに彼女を出すんでね」
「……『出す』ってなんですか、『出す』って」
「ああ、わりーわりー。言葉のアヤってやつだ。気にすんな」(ぽんぽん)
「……っ塵ほども感情がこもってませんけど?」
「まあいいじゃねーか。んなことより、パーティだからってハメを外して体調管理を怠るんじゃねーぞ」
「わかってます。これでもプロなんですから、バカにしないで下さい」


「……誰かさんには耳の痛い話ねー?」
「…………あのときのことは、深く反省してるよ」


『あのときのこと』?……何の話だ?







<人気ミュージシャンと売れっ子アイドルの場合>

……出た。


「……うげぇ。」
「ちょっと!?尚ちゃんの顔見てその反応は失れ」
「なんだその『何でアンタと顔会わせなきゃなんないのよっ!?ていうか目障りだわっ!失せろ!!』って顔は!!」
「え??しょ、尚ちゃ」
「わかってるなら今すぐ瞬間的むしろ刹那的にこの場から離れなさいよ!!」
「当たってるの!?ちょっと最が」
「んだとぉっ!?そんなもん、俺の勝手だろーが!!お前がどっか行け!」
「………………」
「はぁっ!?アンタ達がこっちに来たんじゃない!ならアンタ達が移動しなさいよね!」
「…………っ」
「ザケんな!俺のモンなら俺のモンらしく、言うこと聞いてりゃいーんだよっ!!」
「〜〜〜〜っ」
「そっちこそふざけるんじゃないわよ!!何時何処で如何なる状況から私がアンタのモノになったってのよ!?アンタのモノになるくらいなら大魔王(サタン)化した蓮に啖呵切る方がまだマシよ!!

……キョーコちゃん?それは暗に死んだ方がマシと言ってるのかな……?

「いやああああああああっ!!二人の世界を作らないでーーーーっ!!」
「「作ってない!!」」

――何でそこでハモるかなぁ……ほ〜ら、大魔王様のご降臨〜(涙)

「(スゥ・・)いい加減にしろ、不破。キョーコはお前の所有物じゃないんだ。何度言ったらわかるんだお前の湧いた脳は
「……な、なんだとっ!?」

……啖呵切るのか後込むのか、どっちかにしたら?
ああでも、啖呵切ろうとするその勇気は褒めてあげていいかも。キョーコちゃんも七倉さんも、顔面蒼白で固まってるし。

「キョーコは俺の大事な恋人だ。今後、一度でも彼女に暴言を吐いてみろ。そのときは――覚悟しておけ」

れ、蓮……お前、その眼光だけで人を殺せそうだな……
って、事実の確認をしてる場合じゃなかった!ど、どうしよう!?なんか注目されてるし!あああああああっ、「温和な敦賀蓮」のイメージが〜〜〜〜っ(涙)

「(…ふ…)……なんてね?ちょっと次の役柄風に言ってみたんだけど、驚いたかな?」
「「「……やくがらふう?(ウソだっ!今のは間違いなく本気だったっ)」」」
「ん?」(キュラレスト)
「「「………………」」」

ナイスだ蓮っ!その最上級の笑顔ですでにお前の崩れたイメージを「これもかっ!!」ってくらい知ってる一部の人間以外には誤魔化せてるぞっ!!









……はぁ。色々あったけど何とか無事終わりそうだ……
でも不破君、後で思い出して憤慨しそうだな…身の程もわきまえずに。

「尚〜〜どうして問題ばかり起こすのよ〜〜〜っ(涙)」
「……安芸さん?」
「――あ゛。…………な、なんでもありませんからお気になさらずっ。そ、それより、うちの尚がご迷惑をおかけしまして…」
「ああ、いえいえ。蓮の方こそ…………」

……なんて言えばいいのかな?「脅してすみません」?って認めてどうする!?「殺人未遂で良かったです」?良くないだろ!!「キョーコちゃんが絡むと大人気なくて」?あ、これだっ!

「あいつ、キョーコちゃんが絡むと大人気なくて……」
「いえ、それを言うなら尚もキョーコちゃんが絡むと手がつけられなくて……」
「……お互い、苦労しますね」
「……ええ、本当に」







何故か不破君のマネージャー、安芸さんと同士になった親睦会。
……あれ?これってマネージャーの親睦会じゃなくて、業界人の親睦会だったよな…?

…………すみません、社長。俺の見たメンツからは「親睦」という二文字が見えているようで見えてなかったように思えるんですが。
彼らの「親睦会」って、何なんですか?











蓮香様からの18700hitリク、「ローリィ社長が業界全体を巻き込んで企画した、芸能人・著名人強制参加型企画にメインクラスのキャラ参加!そして巻き起こる騒動を客観的に見る社さんと祥子さん」でした。

ご希望されていたキャラは全員参加させましたが、上手くいってませんね……まあ、その辺はご愛嬌ということでv ←コラ
「ギャグ寄り」とのことでしたので、むしろ思いっきりギャグにしてみたり。


蓮香様。ただドタバタするだけの駄文と相成りましたが、ご容赦下さい(涙)
苦情、お待ちしてます!



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