『百花繚乱』の蕾様の企画に押し付けた駄文第2弾(笑)
前回はクリスマスネタで、今回は正月ネタです。……三日過ぎてますけど。
「正月…正月っていうとなんだろ……?」と考えた結果、お年玉(爆) 私は貰う立場でもなく(成人してますから)、あげる立場でもない(学生ですから)ですけどね!
蓮様は用意していた「お年玉」という名のプレゼントを渡せてホクホク、キョーコちゃんは可愛いピアスにホクホク、というお話でしたv
New Year's gift 元旦―― 「明けましておめでとうっ、お姉様!お疲れ様でした!」 「あ、おめでとうございます!……て、マリアちゃん!?どうしてここに!?」 新年を迎え、お決まりの挨拶を交わすキョーコとマリア。ただし、キョーコは相手を認識する前に挨拶してしまったので、それがマリアだとわかった途端に驚きの声を上げたが。 世間一般では休日でも、芸能人にとっては一番忙しい日。キョーコも例に漏れず、昨日の夕方から今朝まで年末年始の特別番組に出演していた。そして番組終了後、家に帰ろうと正面出口まで来たところで突然声をかけられたのだった。 今現在の時刻は朝の6時。時間的にもだが、場所的にもマリアがいるということに驚きを隠せないキョーコに、マリアはにっこり笑いながら、 「お姉様にご挨拶したくて!でもお姉様はお仕事だったから、日付が変わってすぐには無理だったでしょう?だからここで待ってたの!」 と答えた。 その可愛らしい答えに、ジーン・・と感動しながら、キョーコも笑顔を浮かべる。 「ありがとうっマリアちゃん!でも良かったの?パパ、帰ってきてるんでしょう?」 「ええ、パパとは一緒に新年を迎えたわv あ、それでねっ、今から初詣に行くの!」 「そう、良かったわねっ」 この親子の長年のすれ違いが解消され、初めて迎えた正月だ。今までできなかったことができて幸せそうなマリアを見ていると、自分も嬉しくなる。 「じゃあ、ここまではパパが連れてきてくれたの?」 「ええ。だからもう行かなきゃいけないの。名残惜しいけど、これで失礼するわ」 「――あ、ちょっと待って」 マリアを引き止め、キョーコはバッグの中から一つの袋を取り出した。 「今日渡すとは思わなかったけど……はい!」 「?これは??」 「お年玉。ほんの少ししかないけどね」 「ええっ!?そんな、悪いわっ」 「いいから。私があげたいだけだし、もらって?ね?」 「……っありがと、お姉様っ!」 「どういたしまして。さ、早くパパのところへ行ってあげて」 「うん!じゃあ、またねーっ」 大きく手を振りながら駆けて行くマリアに同じように返した後、キョーコは独りごちた。 「マリアちゃんも良い年を迎えそうだし、良かった〜v さて、私も帰って寝よっと!お昼からモー子さんと初詣行くしね!」 「へぇ、琴南さんと初詣に行くんだ」 「きゃあっ!?」 背後から突然かけられた聞き慣れた声に、思わず叫び声をあげてしまう。 いつものパターンだというのに何度も引っかかる自分に情けないと思いつつ、飽きずに同じ事をする先輩を睨み付けた。 「敦賀さんっ!背後から声をかけるのやめてくださいよ、ビックリするじゃないですかっ!」 「ごめんごめん。でも、後ろからやって来たんだからそれは仕方ないだろう?」 「……それはそうかもしれませんけど!あなたの場合は故意にやってるじゃないですかっ」 「そんなことないさ」(キュラリ) 「はいウソ!その顔はぜ〜〜〜〜〜ったいにウソです!」 わかる人にはわかる(というかキョーコにだけわかる)ウソツキ笑顔の蓮に反論したが、当の本人は何所吹く風である。平然とした顔でそれを無視した。 「それより、新年の挨拶がまだだったね。明けましておめでとう、最上さん」 「へ…?あ、すみません!おめでとうございます!!」 「最上さんも違う番組に出てたんだよね?」 「はい!敦賀さんも終わったんですか?」 「まあね。今から違う番組があるけど」 「うわぁ……大変ですねー、徹夜明けなのに」 蓮の殺人的スケジュールを見たことのあるキョーコは、心から呟いた。 売れてきたと言ってもまだまだ新人のキョーコと違って、人気芸能人の彼はこの数日眠る暇が無い。さすがの蓮も、少し疲れ気味のようだ。 彼の様子を見ているとさっきまでの怒りも忘れ、心配になってきた。 それが伝わったのだろう。その気遣いを嬉しく思った蓮は、今度こそ本当の笑顔を浮かべた。同時に、それを見せられたキョーコの胸は高鳴ってしまう。 「心配してくれてありがとう。けど、移動はタクシーを使うから大丈夫だよ。その間仮眠取れるから」 「そ、そうですかっ。それじゃあ、頑張ってくださいね!私はこれで…」 「あ、ちょっと待って」 先程キョーコがマリアにしたように、蓮はキョーコを引き止めた。しかも、カバンをあさっているところまで同じである。 「??敦賀さん?」 「これ、俺からの『お年玉』。お金じゃないけどね」 そう言って渡されたものは、袋ではなく箱。 それを受け取った後、キョーコは大慌てした。 「え、な、ええっ!?そんな、悪いですよ!それに私、お年玉をもらうような年じゃありませんし!」 「いいから。君だってマリアちゃんに渡してただろう?それに君は成人してないんだし、もらう権利はあると思うけど?」 「それはそうですけど……て、見てたんですか!?」 「ちょうど声をかけようとしたときに、マリアちゃんに先を越されたからね」 「……てことは、最初から見てたんですね」 「そうなるかな」 小さく溜息をついたキョーコに、蓮は悪びれもなく答える。 これ以上何か言っても結局受け取らざるをえない状況になることを経験から知っているキョーコは、素直に頂くことにした。それに、もらえて嬉しいのは事実だ。 「……じゃ、お言葉に甘えさせてもらいますね!ありがとうございますっ」 「どういたしまして。それじゃ、そろそろ時間だから…」 「あ、はい!本当にありがとうございました!お仕事、頑張ってくださいね!」 「ありがとう。最上さんも気をつけて初詣に行っておいで」 「はい!」 双方笑顔で別れ、蓮はタクシーで次の番組へ、キョーコは一眠りするために家へと向かった。 ――その日、より一層神々しい笑顔を振り撒く某俳優と、蝶のピアスをつけて初詣をしていた某女優がいたとか。
『百花繚乱』の蕾様の企画に押し付けた駄文第2弾(笑)
前回はクリスマスネタで、今回は正月ネタです。……三日過ぎてますけど。 「正月…正月っていうとなんだろ……?」と考えた結果、お年玉(爆) 私は貰う立場でもなく(成人してますから)、あげる立場でもない(学生ですから)ですけどね! 蓮様は用意していた「お年玉」という名のプレゼントを渡せてホクホク、キョーコちゃんは可愛いピアスにホクホク、というお話でしたv |