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その7その8
短編




腕時計のナゾ




「あの…社さん。実はずっと気になっていた事があるんですけど、訊いてみてもいいですか?」
「俺に答えられる事なら」

「どうして腕時計してないんですか?」

「……へ?」
「詳しくは言えませんが(言ったら敦賀さんに『坊=私』ってバレるもの)、社さんがとんでもない機械クラッシャーという話を小耳に挟みまして」

(誰だそんな事を吹聴したのは!?)

「最初は腕時計が嫌いな人もいるから気にならなかったんですけど、それを聞いてからというもの、腕時計を壊してしまうからしていないのかどうか気になって」
「そ、そう…(汗)」
「それで、どうしてですか?オーソドックスに主義で?それとも、やっぱり壊」
「ノーコメントっっっ!!」




本当に機械クラッシャーが原因だったとは・・・(笑) -△-





年の差カップル




「ねえ…」
「ん?」
「キョーコから聞いたんだけど、敦賀さんってキョーコとの年の差を随分気にしていたんですって?」
「……ああ、うん。まだ自覚前の頃だけど、『高校生に手を出したら犯罪でしょう!?』とか言ってたなぁ……今じゃ見る影もないけどね
「…………愛が溢れてるものね」
溢れ過ぎだ。でも、それがどうかした?」
「ん…あの敦賀さんが4歳差で悩んでたなら、倖一さんはどうだったのかな?って思って。私達の方が年齢差あるから」
「俺は特に気にしなかったけど……」
「けど?」
「…………蓮から散々言われた」
「なんて?」

「『社さん。あなたのおかげで年齢差なんて気にならなくなりました。どう考えても社さんの方が犯罪ですからね』――だってさ」

「…………………………」
「頼むから何か言ってくれ(滝涙)」




大丈夫!『年齢差萌え』という素敵なモノがある!!(殴) -△-





どっち?




「……ねえ、蓮」
「なに?」
「もしかして、スイカに塩をかけない派?」
「…………何を言い出すかと思えば……」
「や、だって。昔から塩をかけてた私としては『どうしてかけないのかな?』って思うのよね」
「別に理由なんてないけど……塩をかけてもかけなくても変わらないだろう?」
「ううん、変わるわよ?塩をかけた方が甘みが増すもの」
「…そうなの?」
「ええ。……まあ、正確には塩の辛さを感じた後にスイカの甘さを感じるから、甘さがいつもよりひきたてられるだけなんだけど」
「へぇ…さすが。よく知ってるね」
「ふふv」

「キョーコなら『塩は魔法の粉』って言うかな?なんて思ったんだけど」

「…………ぅ……」
「―――…キョーコ?」



「………………む、昔の話よっ////




スイカ、美味しいですよね。 -△-





その下は・・・?




「ただい――っ!?」
「おかえりなさーいv」
「……………………」
「…蓮?」
「……その格好、どうしたんだ?」
「へ?どうって……いつもと一緒でしょ??」
「…………一、緒?」
「うん」
「―――…後ろを向いてくれる?」
「?わかった」


「……………なるほど………」
「??なにが?」
「――いや、なんでもない。俺の勘違いだった」
「???」




(――キャミソールにミニスカート、ね…………紛らわしい格好はしないでくれ……帰宅早々、理性を試されてるのかと思った……)




何を想像したんだ蓮様。 -△-





夏バテ




「社さん」
「なんだ?」
「夏バテしているそうですね?」
「え?うん、してるけど……それが?」
「実は、キョーコが『社さん、夏バテであまり食事してないみたいなのよね…大丈夫かなぁ……?』って、心配してたんですよねェ…」(ヒュオォォォォオォ・・)
(今っ!今気温下がらなかったか!?)そ、そうか…じゃあ、キョーコちゃんに『ありがとう』って伝え――」

――…キョーコに心配されるなんて……いいご身分ですね…?(にっこりvv)


(怖っ!!顔は笑ってるのに声が笑ってない!!) ←どんなだ


「どうしました?顔色が悪くなりましたよ?」(にこv)
「(『お前のせいだ!!!』と声を大にして訴えたい!!――しかし!俺はまだ命が惜しいっ)
べ、別に……最近食が細くなってるから、そう見えるんじゃないか?」
「そうですか。なら、しっかり食べた方がいいですね。――どうぞ?」

ドドン♪

「………と、特盛りウナ重……(滝汗)」
「ええ。これを食べて元気になって下さい。今すぐに。
「…………………………」



「食べ終えるまで、ここで見守っていてあげますからね?」(キュラ)




・・・・・お、鬼だ・・・・ -△-





続・夏バテ




「れ〜〜ん〜〜(怒)」
「キョ、キョーコ?何をそんなに怒ってる……のかな?」
「最近自分のした事を胸に手を当てて、よぉぉぉぉく考えてみなさい!」
「……………………」(胸に手を当てる)
「……………………」
「……………………」(思案中)
「…………わかった?」

「………ごめん……心辺りがありすぎてどれに怒ってるのか……

「…蓮…」(脱力)
「で、どれ?」
「(ふぅ…)社さんの事よ…」
「社さんがどうかした?あの人、今体調崩して寝込んでるけど」
「なに『自分は関係ありません』的な言い方してんのよっ(怒) 社さんが倒れた原因は蓮が無理矢理食べさせた特盛りウナ重でしょ!!」
「っ!?な、なんでそれを…」
「モー子さんから聴いたわ!酷い…っ」
「い、いや、これには訳が…」
「問答無用!社さんが治るまで、ご飯作ってあげない!!」
「ちょ…それは――」
「い・い・わ・ね?」
「………………………はい」




人はこれをしつけと言います(爆) -△-





苦悩




「んにゃ」
「うふふv 可愛い〜〜vv」
「………ただいま」
「あ、おかえり。
…ん?なに?ご飯?ちょっと待ってねv えっと、缶詰は――」
「……………キョーコちゃん」
「んー?」(ゴソゴソ)
「別に催促するわけじゃないけど…俺のは?」(←催促)
「蓮のご飯はそこ。
――あ、あったあったv 今日はカツオ味ね♪」
「にゃっ」

「…ふぅ…」




「さて、と。一緒にお風呂入ろうね〜v」
「(ピク)…キョーコちゃん」
「なに?」
「お風呂は俺と――」
「(無視)じゃ、行こっかv」
「にぃ〜」
「………………」


(――…社長から預かった猫だし、何より動物相手に本気で怒れないが………キョーコのつれなさとコレは笑って許していいものか……………………いい訳ないな。
さて――明日猫を返した後、どんなお仕置きをしようか…)




苦悩してないジャン! -△-





忙殺スケジュールの果て〜敦賀氏の場合〜




「………………」(にこにこにこ)
「………………」(ガクガクガク)
「………………………………社さん?」(超絶笑顔)
「ははははははぃぃぃぃいぃぃぃっっ!!!!」(ビシッ)

「名前を呼んだだけなのに何故直立不動で涙目になるのかはこの際無視させていただきますけどいいですね?俺もプロですから休み無しで働き続ける事に文句は言いません」(笑顔続行中)
「(――『いいですね?』って訊いた割には俺の返事なんかどうでも良さそうだよな…って言うか、実際返事も聞かずに話進めてるし……)
い、いや、休みに関しては俺も本当に申し訳なく――」
「だから文句は言いませんし、謝ってもらう必要もありませんって。大体、休みが無いのは前からでしょう?問題なのは『休み』の有無じゃなく、『時間』の有無です」(やはり笑顔)
「へ?じ、じかん…?(って一体何の『時間』だ!?『キョーコちゃんと携帯で話す時間』は俺の安全の為に毎日必ず作ってるよな!?『キョーコちゃんとの惚気話を聞く時間』もある意味拷問だが俺の身の為に用意してあるよな!?『キョーコちゃんに言い寄る輩を脅――牽制する時間』も不機嫌な蓮の隣に居たくないという詰まる所は俺の為に抜かりはないぞ!?というか俺としてはこの目も潰れんばかりの笑顔を浮かべながら絶対零度の空間を作り出している蓮と向き合っている時間が問題だ!!!!)」 ←恐怖のあまり支離滅裂
「ええ、無いんですよね――」(鉄壁の笑顔)




「キョーコと触れ合う時間が。」(キッパリ)



「……………………」(開いた口が塞がらない)

「地方ロケの間ならまだ我慢できますよ?触れたくても触れられない距離にいるんですから。でも今は同じ家で寝泊りしてるっていうのに、図ったかのようにお互いの時間がかち合わないんですよね。俺が早引きのときはキョーコが遅い、とか、その逆とか。共有しているのは睡眠時間だけです。まあその時間があるだけマシと言えばマシですけど、蛇の生殺し状態である事も否定できません。頭の中で『忍耐って何デスカ?』『理性さんサヨウナラ』『本能様コンニチハ』という声が何度聞こえた事か……」(遠い目)
「待て待て待て待て待て!」
「大丈夫です。今のところは忙しいキョーコの貴重な睡眠時間を奪わないよう声の誘惑に耐えていますから。『今のところは』――ですけどね?」(再び笑顔)




「キョーコちゃんと俺の平穏の為にも一週間以内に時間を確保させていただきます。」




頑張れ社さん!明るい未来はきっとそこに!! -△-