三者三様





「い〜〜〜や〜〜〜だ〜〜〜〜っ!!」
「もうっ、どうしてそんなに嫌がるのよ!!面白そうじゃない!」
「ならおまえらだけで行け!!オレはクィッキーとここで待つ!!」
「ダメ!『2人1組』なんだってば!!」
「知るか!!オレを巻き込むな!!!」
「お化け屋敷に入るだけでしょ!!」
「それが嫌だって言ってんだぁぁぁぁっ!!!」


お化け屋敷の入り口で発せられたリッドの絶叫は、どこまでも響き渡った。









事の始まりは、フォッグの副官であるアイラが「最近人気のお化け屋敷があるそうです」との情報を持ってきたことだった。

お化け系が苦手なリッドは当然顔を顰めたが、不幸にもファラとメルディが興味を持ってしまい(この時点で「お化け屋敷体験」が決定したと言っても過言ではない)、嫌がるリッドを引き摺って6人は噂のお化け屋敷まで足を運んでいた。
その入り口において、リッドの必死の抵抗が始まったのだ。


「リッド、入ろ〜〜!きっとオシロイよ〜〜〜♪」
「『面白い』だっ!『も』が抜けてるだろ!」
「……オモロイ?」
「今度は『し』が抜「意味的には合ってますよね」…………」

メルディの言葉を訂正するキールに、チャットから容赦ないツッコミが入る。
それを見ていたリッドは「んな事はどーでもいい!!オレは絶対に入らねーーーーっ」と叫んでいた。

「リッド!!団体行動を乱しちゃダメでしょ!」
「オレの心は乱れてもいいのか!?」
「乱さなきゃいいじゃないっ」
「無茶言うなぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


――結局リッドが強制参加になったことは言うまでもない。








<正統派>

『う〜ら〜め〜し〜や〜』


「っっっぎゃーーーーーー!!」
「わぁ!見て見てリッド!井戸に浮いてるよ!どんな仕掛けなのかな!?」
「ちちちちちち近づくなファラ!!つーか腕を引っ張るな!!」
「なによ!女の子一人で行かせる気!?」
「行かなきゃいいだろ!!」
「イヤ!気になるもん!!」
「ワガママ言うなぁぁぁぁぁっ」
「(スルー)すぐそこだし、イケるイケる♪」
「イケね〜〜〜〜〜〜〜っ」





<博物館派>

「キールキール!あれはナニか?」
「一つ目小僧だ。雨が降っている日に木の陰から急に飛び出し、人が驚いて腰を抜かすと長い舌を出して舐めるらしい」
「怖いな〜」
「………………」
「あ!じゃあアレは?」
「のっぺら坊だな。何もない顔を見せて人を脅かすだけの妖怪だ」
「ご飯、どうしてるか?」
「………………」





<その他>

「坊主はアレじゃねぇのか?」
「『怖くないのか』――ですか?」
「おぅ!ソレ!!」
「怖くありませんよ。子供じゃありませんから。それと僕は性別上女です」
「そうか!坊主は怖くねぇか!!」
「だからっ――!?っっうわぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「お?猫か?」
「フサフサは嫌〜〜〜〜〜〜(涙)」(逃走)
「………おぅ?」









見事に異なる雰囲気でお化け屋敷を通過した3組。
純粋にお化け屋敷を堪能してしまったリッドは、お化け嫌いに拍車を掛けたらしい。










リファラとキルメル、どちらも女性の尻に敷かれてますね(笑)
フォッグとチャットはCPではありませんが、漫才みたいで好きです(爆)