こちらはスキビサイト『月下華人』の紗那様から頂いた、相互記念リクの作品ですv
管理人の「静かに怒る蓮様を必死に宥めるキョーコちゃん」なんて面倒くさいリクにお応えくださいましたv
嫉妬する蓮様とオタオタするキョーコちゃんが可愛いですよね?
紗那様、素敵な小説をありがとうございました!
ジェラシーの口付け 「え?」 キョーコは思わず間の抜けた変な返答をしてしまった。 「や、別にいいんだけどね」 ニコニコ。 返答の相手──敦賀さんは笑っている。いや、あれは裏の方の笑い方だ。 私何かした? でも、敦賀さんは何か怒っている。 「だからいいんだってば。別に気にしてないから」 してるじゃない。 気にしまくりじゃない。 「さっきの──…」 考えてみたら敦賀さんはこれしか言っていない。これじゃあ全然分からないわよ。 番組収録後── まだまだ女優としては新人のキョーコはスタッフやら共演者に挨拶をしてから楽屋に向かった。 楽屋には、もう既に着替えて帰るところだった奏江と少しだけ会話を交わして。 「あ、キョーコ!お疲れ様。私急いでるからお先に」 「お疲れ様!」 「あっそうだ!キョーコ、これあげるわ」 ヒュッと宙に円を描くように飛んできた缶ジュース。危うく落としそうになるのをうまくキャッチする。 「…有難う」 「ん、また明日」 感謝の意をこめて笑顔を返す。 そこに、たまたま通りかかったらしい新開はキョーコの可愛さにギュッ。 「いまの可愛いよ!!」 新開監督が私を抱きしめていた。 「ちょっ…」 抗議しようと口を開く前に頬を掠めるようなキスされて逃げられた。 あ。 思い返してみて気付く。あの監督の行動に怒っているのだろうか。 「敦賀さん…?」 「…なに」 理由は何となく分かったものの、なんて言ったらいいんだろう。 私が望んだわけでもないし、事故みたいなもんだし。 私が困っていると敦賀さんの方が口を開いた。 「キョーコは自分が可愛いとか分かってるのか」 「え?私別に可愛くなんか…」 言いかけて監督が言った台詞を思い出す。『いまの可愛い』そんなような事を言っていたような… 「ちゃんと自覚した方がいい。君を狙っている人なんかいっぱい居るんだから」 そんな事言われたって。だったら、敦賀さんが守ってくれたらいいんじゃない。私は敦賀さんの物だって皆に分かるようにしたらいいんじゃない。 なんだか涙ぐんでくる。 らしくないな と自分でも思った。 偶然見てしまった。 俺だって監督がキョーコの事気に入ってるのは知っていた。いや、監督だけじゃなくて──。 キョーコに捨てられたらどうする? 今はいい。 でも、いつか──。 「敦賀、さん…?」 キョーコは今にも泣き出しそうだ。 俺は少し乱暴に彼女を引き寄せ、強引に口づける 「…んっ……」 息をつく暇もないくらいに口づけを繰り返す。 「ん…も……敦賀さ…」 「……じゃない」 「え?」 「蓮。言ってごらん?でないと許さない」 そう言ってまた言葉を紡ぐ暇がないほどに唇を塞ぐ。 「なっ……ん…ふっ…敦…さん…」 身じろぎするキョーコをしっかり捕まえる。 「敦賀さんじゃないだろう?」 「…ん……れ、ん…」 息切れしながら一生懸命俺の名前を呼んでくれる 「れん…れ‥ん」 はぁっ… 一息ついてからキョーコが口を開く。 「も、なに…どうし…」 「俺はキョーコの何?」「?」 「俺にとってキョーコは特別だけど、キョーコにとってはどうなんだ?俺にはキスだって特別な物になったのに」 しばらく敦賀さんがそんなこと言うなんて──と思考が止まってしまった 「何言ってるんですか?私が自分からキスするのはあなただけでしょ?それじゃ駄目?」 真っ直ぐ そう聞いてくる 真っ直ぐで 正直で綺麗な目。 「でも──名前呼んでくれないじゃないか」 「れん。れん。蓮!!」 ムキになって蓮を連呼するキョーコ。その表情は少し悲しそうで。 「まだ足りない?呼び足りない?なら一晩中だって呼んであげる、蓮」 気持ちを疑われた悲しさと淋しさ。キョーコの身体から感情が溢れている。 そんな風にさせたのは 自分。 「ごめん…」 俺がそう言うと安心したのかついにキョーコの目から涙が零れた。 「ふぇ…っん。蓮、なんで信じてくれないの?蓮だってよく分からないのに……」 俺は一生懸命彼女の身体を抱きしめて涙を拭う。 そして 「好き。好きだよ。大好き」 「…名前言って」 今度はキョーコからの小さな要求。 「キョーコ」 「もっと、もっとよ」 「好きだよ、キョーコ」 後日。 「監督?俺のキョーコに手を出したんだから覚悟出来てますよね──?」 ニコリ。 「…うぎゃ〜〜」 新開の叫び声が局内に響き渡った。 Fin
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管理人の「静かに怒る蓮様を必死に宥めるキョーコちゃん」なんて面倒くさいリクにお応えくださいましたv 嫉妬する蓮様とオタオタするキョーコちゃんが可愛いですよね? 紗那様、素敵な小説をありがとうございました! |