驚くべき事実・うなだれる事実





振動を感じる・・・

それは自分に新しい『事』が起こったという合図。


『おはようございます!!
 ちゃあんとお食事、摂ってますか??
 体をちゃんと休ませてあげてますか??
 敦賀さんはいつもなりふり構わないので心配です。
 社さんを困らせちゃダメですよ?言うことをしっかり守ってくださいね?

 今日はCMの撮影が入ってるんです!!しかも化粧品の!!
 まだ内容は詳しく分からないけど、すっごく楽しみなんですvvv
 あ・・出るのは私一人ですから、ご心配なく。
 敦賀さんは撮影に集中してください!!

 それじゃあ今日も頑張って下さいね!!

                                 キョ―コ』

(なりふり構わないって・・酷いなぁ)

そんなことを内心で思っていても表情はとても柔らかくて。
隣でマネージャーがさらさらと砂を吐いている。

「キョ―コちゃんからだろ?」
「よく分かりますね」
「そりゃあわかるよ・・・」
「??」

少しうなだれたマネージャーに疑問を感じながらも、開いたままだった携帯にしっかりと手を添える・・・

ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ・・・・

「は!?」
「え?」
「お・・おぅ!?」
「や・・社さん!?どうかしたんですか!?」
「蓮・・・お前それは・・・・」

物凄い表情をしながら、俺の手中にある携帯をさす。

「メールを打ってるんですけど・・・??何か?」

「・・速っ!?」

「はぁ??」
「お前、なんだ!?その『女子高生も携帯手放すほどビックリ♪』な早打ちは!!!」
「え?」
「そ・・その・・なんだ?・・ポチポチポチポチ!!よく手が動くなぁ・・・」
「いえ、別にそんなに速いですか? 普通じゃないかな??」
「それを速いと言う以外に何と言うんだ!?」
「さぁ・・・??・・あの・・ちょっと待っててください。今返信しますから」
「!?」

(ああ!!そーーだろうよ!!俺との会話なんかより可愛い――彼女に返信するほうが大切だもんね――――(涙))


物凄い速さでメールを打つ蓮。
隣ですっかりイヂケている社。

蓮は打ち終えたのか、クスッと笑いを漏らして携帯を愛しそうに握った。

(あ〜幸せ〜ってか?? 大方、キョ―コちゃんがアタフタするような内容を送って、その様子を思い描いてるんだろうねぇ・・・若いね。蓮。)


「すみません、お待たせして・・・終わりました」
「お前さぁ・・・」
「はい?」
「キョ―コちゃんにゾッコンだよなぁ」
「はい」

(即答だし・・)

「だってあんなに可愛いんですよ?ちょっとからかっただけですぐ顔を真っ赤にして怒り出すし、その時のちょっと潤んだ瞳なんてもうイチコロですよ。それに最近は色気っていうか・・艶が出てきたんですよ。だから男が寄ってくるんです。まぁ駆除してますけど。でも本人が無頓着なもんでどうにもねぇ・・あ!それから・・・・

「わかったわかった。惚気はいいから」
「そうですか?(まだあるのに。残念だな・・)」
「お前、キョ―コちゃんより打つの早いだろ?」
「ああ・・そうかもしれませんね。それにキョ―コはじっくり文を考えてるから・・・」
「『愛のこもった』だろ?」
「ええ」
「はぁ・・・」
「 どうかしました?」
「お前、本当に二十歳だったんだな」
「は?」
「若いよ。若い。青い。はぁ・・・全く・・・」
「社さん?」
「ふー・・・・」
「社さん?」
「・・・・」
「社さーん」
「・・・」
「おーい」


社はふらふらと蛇行しながら何処かに向かっていきました・・・・・











スキビサイト『倫敦組』のマナ様のところから強奪してきた4万hitフリー小説です。
女子高生も真っ青☆な早打ち蓮様。ちょっと競ってみたいです。