ふふふ…結局撮影に入れなかった……もう一気に進めることは諦めますっ! ←ヤケ
「一話で原作数ページしか進まない」ことをここで宣言しましょうっ(涙)
今回は瑠璃子ちゃんとキョーコちゃんのやり取りをすっ飛ばし(原作そのままですし)、三人が撮影現場に戻ってきてから撮影に入るまでのシーンです。いや〜、明日香さんが黒い黒い(笑) でも楽しかったことは否定しません。 ←マテ
題名は――内容見たらわかりますよね?
次回こそ撮影です。
明日香の試練 「!!あ」 「あっ、瑠璃子ちゃんっ」 撮影現場にて待機中のスタッフから声が上がる。彼らは新開から「探さなくてもいいよ」と言われたので、大人しく待っていたのだった。 彼らの視線の先には、蓮のマネージャーとピンクツナギの女の子に抱えられて強制送還されてきた瑠璃子の姿がある。 「瑠璃子ちゃんが帰ってきました、監督」 「ん?そうか、帰ってきたか」 「意外に早かったですね」 の〜んびりティータイムを過ごしていた新開と明日香は、優雅にティーカップを戻し、視線だけをそちらに向ける。 「――なんでキョーちゃんが…?病院に連れて行ってもらわなかったのかしら…」 てっきり社と麓の病院へ向かったと思っていた明日香は小さく呟いた。 瑠璃子を出迎える気はさらさら無いが、キョーコの怪我が心配な彼女は、そっと立ち上がり、三人の元へと足を向けた。 「あ、飛鳥さん」 「ご苦労様です、社さん。その荷物、放り投げ――おろして下さって結構ですよ?」(にっこり) 「ちょっとーーっ!誰が荷物よ!!」 「(無視)ところで、何でキョ」 「先程はどうもっ!初対面の私なんかのケガを気にしてくださって!!」 「……初対面?何を言っ」 「あっ!!私っ、監督にも挨拶しなきゃいけないので、これで失礼しますっ」 思わず拍手をしたくなるくらい素晴らしい逃げっぷり。 残された社と瑠璃子は、去って行くキョーコの背中をぽかんと見送っていた。――が、急に激しい悪寒に襲われた。 (な、なんか…) (視線を戻すと危険な気が…) 「…………瑠璃子ちゃん」 「な、なにっ!?(何なのこの威圧感溢れる声はっ!?)」 「貴女も監督のところへ行きなさい」 「はぁ!?何で私があなたの言うことを聞かなきゃ……………………わ、わかったわ」 命令されたことが癇に障り、食って掛かろうとした瑠璃子だが、咄嗟に振り返ってしまったことにより明日香の表情を見てしまった。そして、ソレを見ても虚勢を張れるほどバカではなかったようだ。すぐさま新開目指して歩き出す。(むしろ逃げ出す) 何となくきっかけが掴めず立ち往生していた社だが、瑠璃子の反応を見て、このままここにいると危険だということを察知した。 「え、え〜と…そ、それじゃ、俺も蓮のとこ」 「待て。」 「は、はいっ」 命令形の制止に、思わず背筋をピンと張って気をつけしてしまう。あれは明らかに怒声だった。 「……一体、どういうことなんですか?キョーちゃんがまだここにいることもですけど、何故私を知らないフリするんでしょうね…?」 「そ、それは…」 「なんていうか――あまりのショックに手近なセットを破壊しそうなんですけど」 「…………はい?」 「むしろブチ切れ10秒前?今すぐ吐かないとこの…」(バキ) 「まだ2秒です!!(何であの細腕一本で折れるんだあの角材がっ)」 「そんなことはどうでもいいんです。説明、していただけますよね?」(ボキ) 「説明させてください(涙)」 「なるほど、そういうことですか」 なけなしの理性で何とかセットを壊さずに(それでも角材二本を犠牲にしたが)事の次第を聞きだした明日香は、深い溜息をついた。次いで、目に見えてビクついている社に向かって苦笑交じりに微笑みかける。 「気を遣ってくださって、ありがとうございます。そうとは知らずにちょっぴり怒ってしまって…」 「(『ちょっぴり』……?アレで?)い、いえ、お気になさらず。俺もキョーコちゃんがあそこまで『知らないフリ』に徹するとは思ってなかったので…」 「あー・・それは仕方ないですね。あの子、昔から生真面目ですから。やるからにはどんなことに対しても全身全霊です」 「へ〜、そうなんですか?」 「ええ、そうなんですよ」 そう言ってふわりと微笑する明日香に、社は目を奪われた。こんなに柔らかい、暖かな表情は見たことがない。まさに「聖母の微笑み」というやつだ。 固まってしまった社に気づき、明日香は不思議そうに顔を覗き込む。 「社さん?どうしました?」 「えっ?あ、いや、そ、そうだ!俺達も行きましょうかっ?」 「?え、ええ」 社の不自然な行動が気にはなったが、そろそろ撮影に入らなくてはいけない。さして広くもない現場だが、ここでは離れたところにいる監督達の会話は聞こえないので、彼らのところへ戻ることにした。 一方キョーコは、社が未曾有の危機に晒されていたことなど露ほども知らず、新開への挨拶を済ませていた。 「帰ってこなければ〜」なんて言いながらも飄々とした態度を崩さない監督に呆れていると、その背後からじっと自分を見つめている「彼」に気づいた。 「……ん?」 キョーコの意識が自分に向いた後、口パクで何かを伝えようとしている蓮に、キョーコは眉を顰めながら自分なりの解釈を口にする。 「『病菌以下なかなか異常』?」 「ちがう。『病院に行かなかったなカメ少女』と言ったんだっ」 「カメじゃありませんっ。左足を直にガンガン使わなければ歩けます!!」 ドンっ!! 「「「!?」」」 (〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ) 何の前触れもなく背中を押されたキョーコは、その勢いのまま激しく足を打ちつけてしまう。あまりの痛さに悲鳴をあげることすら儘ならない。 新開も蓮も咄嗟のことに抱き止めることができず、痛さに耐えて小刻みに震えている彼女の傍に駆け寄るしかできなかった。 「おい、大丈夫か(汗)」 「キョーちゃんっ、大丈夫っ!?」 明日香もまたそれを見ており、キョーコが折角やった「知らないフリ」も忘れて叫びながら駆けつける。 社も駆け寄り、キョーコの周りには新開、社、蓮、明日香が揃った。 その様子を見て、加害者?の瑠璃子はますます憤りを募らせた。 「何よ!!大した怪我でもないくせに!!敦賀さんに気遣ってほしいから大げさにしてるんでしょ!!いやらしい!!一体どこまでいやしい人なの!!本当は坂道で転んだのも計算ねっ!?あなた、敦賀さんが好きなのよ!!」 ピクリ×2 最後のセリフを聞いた瞬間、キョーコの中で怨キョとピュアキョが一進一退の攻防を繰り広げ始めた。ついでに言うと(むしろメイン?)明日香からは「触るな危険!爆発物です!!」のオーラがほとばしっている。 (――落ち着きなさい、私。たとえ今すぐ土に還したくても我慢するのよ。監督の新開さんが何も言わないのに、ただの脚本家である私が口出ししてはダメ。つーかさっさと何か言え監督(怒)) 「…瑠璃……やりすぎだぞ。謝りなさい」 別に明日香の心の声が聞こえたわけではないだろうが、タイミングよく瑠璃子を諌める新開。 実に発火2秒前であったことは本人以外誰も知らない。 言われた当の本人は、新開の言葉に怯んでいた。 今まで何をしても自分を叱るような人間はいなかった。だと言うのに、この監督は自分を責める。監督だけではない。蓮も、社も、周りのスタッフも――(明日香だけは俯いて震えているが)誰も彼もが自分を責めるような視線を向けている。無言の責めだが、それが却って圧迫感を強くしていた。 しかし哀しいかな。これまでの我侭放題な経験が、彼女に「謝罪」という行動を取らせない。 しかも、罪悪感より腹立ちの方が先に立ってしまった。 (…何よ……みんなであの子の味方な訳――――――!?) そう感じると同時に瑠璃子はそっぽを向き、五人とは反対の方向へズンズンと歩き去った。 それにはさすがに眉をしかめる新開。 (まったく…俺に感謝してもいいくらいなんだぞ?もしあのままにしてたらお前、碧ちゃんから私刑を食らってたはずだ) なんと、しっかり気づいていたようだ。さすが腹黒同士。 「……すまなかったね」 「…いえ…(ひとまずブラックな私落ちついたし……でも…だんだんピュアが押されてる気がする……)」 とりあえず総責任者である自分から謝罪の言葉を告げると、キョーコは弱々しくだが返事を返してくれた。 このとき、新開の中である一つの妙案が浮かんだ。が、まずは―― 「…………あー、碧ちゃん?」 「……何でしょう?」 「(うわ〜怒ってる怒ってる)いや、よく耐えてくれた。本当に」 「……いいえ?当然のことですから?まぁ、あの子は幸運でしたね。これが仕事中じゃなかったら確実に息の根を止めましたねええ確実に。」 ……この日、「飛鳥さんの機嫌を損ねてはいけない。特に仕事外で」というキーワードがスタッフ一同の暗黙の了解となったことは言うまでもない。
ふふふ…結局撮影に入れなかった……もう一気に進めることは諦めますっ! ←ヤケ
「一話で原作数ページしか進まない」ことをここで宣言しましょうっ(涙) 今回は瑠璃子ちゃんとキョーコちゃんのやり取りをすっ飛ばし(原作そのままですし)、三人が撮影現場に戻ってきてから撮影に入るまでのシーンです。いや〜、明日香さんが黒い黒い(笑) でも楽しかったことは否定しません。 ←マテ 題名は――内容見たらわかりますよね? 次回こそ撮影です。 |